今日は、22日(日)のかばんねこ3周年の記念ワークショップ&講座のなかから、
「4歳から学童期に向かう子どもの遊びと育ちワークショップ」
の様子を紹介しますね。
まずは親子で、ひとつのおもちゃを選んで遊びます。
だけど、一緒に遊ぶおもちゃは、お母さんが選ぶこと^^!
お母さんには、
「これで子どもと一緒にあそびたいな。これで遊んでくれたらうれしいな。」
子どもが好きなことやできることを考えるとともに、そんな願いも含まれているでしょう。
そんなおもちゃで、子どもと一緒に遊んでみました。
たくさんの親子さんがいらしたので、それぞれの親子が向き合わないように、
できるだけ背中合わせで遊びます。
他の子どもやおもちゃが見えると、子どもは気になってしまうから。
他の遊びが見えると、子どもは自分のあそびに気持ちを集中できなくなるから。
場所を違えたり、離れたり、背中合わせにしたり…。
これは、おうちのなかで、
年齢の違うきょうだいそれぞれの遊びを大事にしたいときにも、役に立ちます^^
上の子がなにかに集中して取り組んでいるときに、下の子がじゃまをしてしまう。
そんなとき、上の子にがまんしてもらったり、下の子にがまんしてもらったり、
どちらかになんらかの負担がかかることがありますね。
でも、
「見えなければ、いないのとおなじ。」
上の子のことが気にならないように、
上の子がいる場所と下の子がいる場所をつなぐ線の上に…、下の子の目の前に、どっしんとお母さんが座って、上の子への視線を遮ってしまえばいいのです。
あるいは、ふたりの間についたてのような、互いに注意が向かないものを置いてしまうとか。
上の子がひとりで集中して遊べるように、高いテーブルや、壁に向かって遊べる場所を作ってしまうとか。
年齢がちがえば、できることも遊びもちがいます。
きょうだいで一緒に遊ぶのも楽しいし、大事なことだけれど、
ひとりで遊ぶ時間も、おなじくらい大事にしたいですね。
自分が遊んでいるときに、「かーしーて」「いーれーて」って、他の子がやってくることが、よくあります。
親としては、貸してあげてほしいな、一緒に遊んでほしいな、そう思うけれど、
子ども本人にとっては、「ダメ!」なときがある。
親としては、困ります、ほんとに。
優しいことができる子であってほしいし、他の子や親の前だし、自分の体面もあるし、いい人でもありたい。
「貸しなさい」「入れてあげたら」…、簡単に、そう言って収めてしまいたいです。
でも、親は、いつでも、自分の子どもの側に立っていなければなりません。
自分の「イヤ」という気持ちを分かってくれて、
そのイヤな気持ちも、そう思う自分のことも、まるごと大事にしてくれるのは、
子どもにとっては、大好きなお母さん、お父さんでなくてはならないから。
親子の大事な「信頼関係」です。
だから親は、まだうまく「イヤ」を表現できない子どものために、
子どもの気持ちを代弁して、相手の子どもの気持ちも大事にしながら、
トラブルをうまく交通整理しなければならないし、することができます。
だって、大人だから。何十年も、ひとづきあいの経験を積んでいるから。
まだ4歳より小さくて、自分のことしか見えていない頃なら、
「今はね、貸したくないんだって。もうちょっと待っててくれる?」
「ごめんね、今はダメなんだって。こっちのおもちゃはどう?これはね、こんなふうに遊べるよ」
そんなふうに、自分の子どもの気持ちを相手に代弁することで、
自分の子どもの「信頼」を裏切らずに、トラブルの整理ができるでしょう。
そして自分の子には、「使いたかったみたいだね。でも、貸したくなかったんだね。」と、
気持ちを分かって、寄り添っていくので十分です。
そして、
子どもが4歳をすぎて「自分と同じように、相手にも気持ちがある」ということが分かる頃になったら、
「ね、そのおもちゃ、楽しいよね。あの子も好きみたいよ」
「仲間に入れてもらえたら、うれしいよね」
そんなふうに、自分の子にも働きかけていくことができる^^
そうして、そんな親というモデルを身近に見ながら、子どもはやっぱり、
こんなふうにすればいいんだ、あんなふうにすればうまくいくんだ、と
「コミュニケーション」を学んでいきます。
ああ、背中、見られてますね!
手を動かして、遊びながら何かに気づき、その気づきから生まれた新しい遊びから、また新しい思いつきが生まれます。
自分の手を動かして、目で見て、考えて、また手を動かす。
五感すべてを使って、「あそび」は、子どもを考えさせる。
そしておもちゃは、子どもが具体的な「モノ」で手を動かして考えるための、良い道具なんですね。
それも、楽しく、わくわくと…!
子どもは、具体的なモノで遊びながら、いろんなことに気づき、わかり、知っていきます。
それは、その「モノ」を、ひとつの視点からではなくて、
正面からも、裏側からも、横からも、上からも下からも、
「見る」体験をしているからこそです。
それは、紙のドリルをこなすことでは、絶対にできないこと。
紙に書かれた図形の問題がいくらできても、
実際に積木を積んで、あっちからもこっちからも見て、うまくいったりいかなかったりを体験していなければ、必要な場面で応用できません。
「わかる」を体験を通じて知っていればこそ、子どもは人生のいろんな場面で、その知を上手に応用していくことができます。
生きた、体験の知です。
長くなりましたので、続きは、また次回に^^