ちいさな子どもと暮らしていると、けっこうな頻度で彼らとケンカします。
ケンカというか、怒りをぶつけられます。
それは、こんなとき。
「じぶんでやる!」
「できるもん!」
…って言ってるのに、大人がわかってくれないとき。
「まだ小さいからできないでしょ」と、はじめから決めつけられたり、
「そうじゃないでしょ、こうでしょ」と、自分ができないことを知らしめられたり、
「危ないよ、だめだよ」と、挑戦のチャンスを奪われたりするとき。
そしておまけに、やってみたけどうまくできなかったときに、
「ほらできない」「やっぱり無理だったでしょ」「お母さんがやるからいいよ」
って済まされるときも、そうですね^^
ものすごい大騒ぎで、泣いて怒りと悲しみを表現しています。
この激しい怒りは、わがままから来ているのではない。
そんな甘えた気持ちからきているのではないと感じるくらい、子どもたちは激しく怒り、泣き、抗議します。
ほんとうにめんどうくさいし、うるさい。
でも、こんなにエネルギーを使って子どもががんばるのは、どうしてでしょうね。
かばんねこは、こんなふうに考えています。
それは「自分で、できたい」から!!!
大人は、子どもよりも能力があるわけではありません。
ただ、子どもより先に大きくなって、子どもより先に、いろいろわかったり、できるようになっているだけです。
それなのに、大人は子どもを「自分より劣ったもの、未熟なもの」として扱うことがあります。だから子どもがやろうとしていることに手出ししたり、口出ししたり、禁止したりする。
ああ、覚えがあるなあ…!
はい、かばんねこもそうです^^
でもじつは、子どもたちがほんとうに望み、大人に伝えたいことは、
「お母さん、あなたは先にできるようになったんだから、昔は子どもだったんだから、
その時のやりたい気持ちを思い出して、できない悔しさを思い出して、
どんなふうにやればいいのか、ちゃんと教えたりお手伝いしてちょうだいよ!」
ということなのだと思います。
ただ、子どもが「ひとりでできるように、手伝うこと」。
たとえば、
自分で顔が洗えるように、洗面台に届くちょうどいい高さの踏み台。
自分で手を伸ばして取ったりかけたりできるタオル掛け。
自分の手にちょうど良い、扱いやすい大きさのタオル。
そして、
顔をあらうにはどうすればよいかを、大人がゆっくり、ていねいにやって見せてくれて、
次に子どもがやってみるときにも、失敗しても大丈夫だよと、ちゃんと見て、最後まで待っていてくれたら、
子どもたちはどんなに安心で、うれしいでしょう。
できる自信がむくむくとわくし、実際にはたどたどしくも、やりたいことが「できる」でしょう。
何度かやって慣れてくれば、自然にじょうずに、できる。
そんなふうに「ちいさなひと」への配慮を、最初から大人がしていてくれたら、
そんなふうに「ひとりでできるように、手伝う」ことに心を配ってくれていたら、
子どもたちはわくわくとうれしい気持ちで、安心して挑戦できる。
「自分でできること」が、どんなに、子どもにとってうれしいことか。
その喜びは、子どもの自尊心と自信を、おおきく応援してくれます。
日々の生活のなかで、わたしたち大人は、たくさくたくさん、子どもたちを応援することができます。
日常のあたりまえの習慣のなかで、食事のなかで、おでかけのときにも、あそびの間にも。
ああ、こんなことができたいんだな。
ちょっとここを支えてあげたら、自分でできそうだな。
おっ、あんなことをしているぞ。声をかけないでおこう。
この部分をもう少し大きくしてやったら、ストレスなくできそうだね。
…そんなふうに。
子どもたちは、大人があたりまえにできたりわかったりしていることに、初めて気づいたり、わくわくとチャレンジしたり、わかったりしながら大きくなります。
その偉大な挑戦が、子どもに生涯の力となる「経験の知」や「自立」を、たくさんたくさん、もたらしてくれるのです^^
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