たとえば、
家事や仕事中に、子どもに「ちょっと来て」と言われます。
でも、すぐにはやめられないことが多いですね。
「ちょっと待ってて」と、区切りがつくまで待ってもらいます。
それとおんなじことを、
わたしたち大人は子どもにしていることがあります。
でも、「ちょっと待ってて」あげていますか。
いつでも、わたしたち大人と同じに、「自分で区切りをつける」まで。
子どもにとっては、
やってみたい、やってみよう、こうしたらどうなるだろう、
…そんなふうにして取り組んでいることを、
「そんなことより◯◯の時間よ」「もういいでしょ」「それよりこうしなさい」なんて、
途中でやめさせられたり、強制されたりしていることが、結構あります。
それはたぶん、
子どもがやっていることは、
大人にとってはもう十分にできたり分かりきったりしていて簡単なことだし、
子どもが何度もくりかえしたり、効率の悪いやり方をしていることも幼稚だし、
「ひまつぶし」「とくに役に立たないモノ」「教えたほうがはやい」…
そんなふうに、軽くとらえられがちだから。
でもじつは、それは子ども本人にとっては、大人と同じに、
今、一生懸命に取り組んでいる、大事な「しごと」なのかもしれません。
まだまだ生まれて数年。
経験も、知も、とっても少ない。
だから、何度も同じことを繰り返してやっと何かが「わかる」のだし、
遠回りして、効率の悪いやりかたをして、寄り道をたくさんしながら、
いちばんいいやり方や、ものごとの成り立ちや、しくみや、いろんなことを知っていく。
それが、子どもの「あそび」という「しごと」なのです。
それに、
そうやって子どもが自分の「しごと」を中断させられていると、
子どもはだんだん、
じぶんの力で最後までやり抜こうという気持ちを失っていきますし、
じっくり何かに取り組もうという気持ちも、得られないままになってしまいます。
だからどうぞ、
子どもが一生懸命になにかに取り組んでいるときは、
子どもが自分の成長のために大事な「しごと」をしているのだなと、
急ぎでなかったり大丈夫なときはできるだけ、
見守るようにしたいですね。