シュタイナー教育「フォルメン」体験、報告の続きです^^
このまっすぐの線を描くまでに、たくさんの、たくさんの準備がありました。
「世界は、直線と曲線でできている」
まずはそのことを自分で発見し、そのあと自分のからだで実際に体験しました。
具体的には、おうちのなかの直線を見つけること。
テーブルの縁、窓、ドア、絵本の縁、積み木、いろいろ。
そして、曲線も見つけました。
テーブルの角、おもちゃのタイヤ、電球、コップの縁、いろいろ。
そのあとには、直線の上を歩く。曲線の上を歩く。
自分のからだで実際に、直線と曲線を、じっくり感じました。
テーブルに戻ったら今度は、自分の指で、空中に直線を描きました。
空中ですし、はじめはふらふらと定まらなかった線も、なんども空に描くうちに、
見えないけれど太く、しっかりとした線を描いているのがわかります(ふしぎ!)。
そのあとは同じように曲線も、空中に描きました。
やはり何度も描くうちに、「いいな」とおもう曲線になっていきます(ふしぎ!)。
そうしたあとに、さあ、やっと画用紙がやってきました。
でも、まだまだ^^
画用紙の上に、指で、直線を描いてみるのです。
まんなかの、自分のいいと思うところから、下に向かってまっすぐ指を下ろす。
なんども。なんども。
何度も描くうちに、やっぱり自分の描く直線がしっかりした自分のものになっていく感覚がありました。
そして、ここでついに!!
「よし、いいなと思ったら、うすいレモン色のクレヨンで、描いてみてね」
自分の気持が整ったタイミングで、クレヨンを持つのです。
でもいざ直線を描いてみると、なんだか思ったのとちがう線に。うーん…
「一度めでなんかちがうな、ここ直したいなと思ったら、2度め、3度めって、自分のいいと思うように直していってみてごらん。」
自分がいいなと思うところまで、なんどもなんども、やり直せる…!
そうして、これでよしと思えたら、
今度は自分の好きな色で、はっきりとした線を描いていく。
今度もやはり何度でも、自分の納得のいく線ができるまでやりなおしていい。
そんなふうにして、「じぶんの」直線ができあがりました。
じっくり時間をかけて、ひとつずつ納得しながら描きあげた、「わたしの」直線。
なんだか、じーんと、うれしい。
同じように、つぎは曲線を描いてきました。
やはり満足のいった、「わたしの」曲線ができあがりました。
これが、シュタイナー教育・1年生の最初の「フォルメン」の授業なのだそうです。
直線と曲線をだけを、からだで存分に体験して、描く。
「これからたくさんの直線と曲線を使っていろんなかたちを描いていこうね!」という導入のために、直線と曲線、それだけにじっくりじっくり、1時間をかけるのです。
そこに込められた想いや願いの豊かさに、圧倒されました。
そして日本のほとんどの学校の、絵の時間の扱いの軽さを憎みました。
描き方も画材の扱い方もなにも教えず、ただ「これを描く」というゴールだけ与えられて、放り出される。
そして、うまいへたで分けられる。
描く楽しさや、喜びをどこに見出せるというのでしょう。
わたしたちは、そんなふうに「指導」される前は、絵を描くのがすきだったはずです。
自由に、思うように描いて、自分で満足して、誰かにも見せて、ニコニコしていた。
いつから、どうして苦手に、嫌いになってしまうひとが周りにはこんなにたくさんなのか…。
それを思うと、とても悔しいし、残念でなりません。
だから、今回のフォルメンに出会えたことは、とてもうれしかったです。
やりなおしていいよ。途中で軌道修正しながら何度でも描き直して、自分の満足のいくところまでやりきってごらん。
そんなふうに、「いくらでもやりなおしができるし、何度でもやりなおしていいんだよ」という経験を、何度もさせてもらったから。
シュタイナー教育では、こういうことを、いろんな場面で何度も繰り返し体験させてくれるのでしょう。
そのたくさんの経験は、子どもが自分を信じる力を強くし、人生をつくる力を応援してくれるものです。
わたしたち親が、子どもに育てたいとおもっているもの。
こんな教育があるということに、出会ってみませんか。
これからもかばんねこでは、りえ先生に来てもらっていろんな教室を開いていきたいと思っています。
次の教室では、ブロッククレヨンを使って、
・子どもと一緒に描く方法
・かたちを描くことについて(キャラクターや動物など)
・絵が苦手と感じている大人のかたへ
・ブロッククレヨンを買ってみたけどうまくつかえていない
そんな声に応える会にしようと思っています。
もちろん、シュタイナー教育という背景は、存分に^^
またお知らせしますので、ぜひぜひ!
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